2025年6月6日公開
最終更新日:2025年6月6日
SaaS営業に転職するには? 転職理由の書き方や例文、押さえるべきポイントを解説
インターネットを介してソフトウェアを利用できるサービスを提供するSaaS業界は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進もあり、将来性が非常に高いです。営業職では、フィールドセールスやインサイドセールスがSaaS業界と相性がよいため、高い注目を集めています。
SaaS営業に転職するには、どのようにしたらよいでしょうか。本記事では特に採用活動で必ず聞かれる転職理由や志望動機の書き方や押さえるべきポイントについて詳しく解説します。
SaaS業界の職種はなにがあるか
SaaS業界へ転職するには、まず転職する職種を選択することから始まります。ここでは特にIT・SaaSセールス職の仕事の概要について解説するので、自分にあう職種を探してみてください。
フィールドセールス
フィールドセールスは、顧客企業に直接訪問し、対面の商談を通じて契約獲得を目指す営業職です。具体的には、顧客の事業や直面している課題をヒアリングし、その内容をもとに自社クラウドサービスの導入提案、クロージングまでを一貫して担います。顧客企業の経営課題を深く理解した上で解決できるソリューションを提案するため、業界知識や高度なコミュニケーション能力、課題解決力が求められます。
特にSaaSセールスにおいて中堅〜大企業への提案は、関係者が多く商談期間も長期化する傾向にあります。そのため中・長期的な戦略の上での営業スキルが必要です。法人営業やIT業界での経験を活かしたい方にとって、フィールドセールスは非常に魅力的な職種です。
インサイドセールス
インサイドセールスは、フィールドセールスと違い直接対面するのではなく、電話やメール、オンライン会議ツールを活用して非対面で営業活動を行う職種です。見込み顧客の育成やアポイント獲得を中心に活動し、初期商談やサービス説明を通してフィールドセールスをサポートする役割を果たします。
インサイドセールスはデジタルツールを駆使した営業プロセスが特徴です。直接訪問する場合は移動や宿泊費などのコストがかかりますが、インサイドセールスであればそのようなコストを抑えて営業活動が行えます。SaaSもオンライン上のサービスであることからインサイドセールスとの親和性が高いこともあり、SaaS業界では注目されています。
求められるスキルとしては、コミュニケーション能力、デジタルツールの活用スキルなどが重要です。特に顧客関係管理システム(CRM)やWeb会議ツールなどを使いこなす能力が求められます。営業経験が浅くてもチャレンジしやすく、ITスキルやビジネス感覚を磨きながらキャリアアップできる入り口として人気の高い職種です。
▼インサイドセールスについてさらに詳しく知りたい方はこちら
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、契約後の顧客がSaaS製品を最大限活用し、継続的な成果を得られるよう支援する職種です。SaaSはサブスクリプション型であるため、解約を防ぎ、顧客満足度を高めることが重要です。主な業務としては、オンボーディング(導入支援)、製品活用の促進、定期的な利用状況の確認、契約更新の促進などがあります。能動的に顧客とコミュニケーションをとることで、長期的な関係を構築する役割を担います。
求められるスキルとしては、担当するSaaSプロダクトの深い理解はもちろん、コミュニケーション能力、問題解決能力、業界知識、データ分析力などが重要です。近年ではカスタマーサクセスの重要性が高まっており、経験者の需要が増加しています。
▼カスタマーサクセスについてさらに詳しく知りたい方はこちら
SaaS業界の転職が注目される理由
IT業界の中でも、特にSaaS業界への転職は近年注目されています。その理由について解説します。
自身の市場価値を高められる
SaaS業界への転職が注目されている理由の一つが、自身の市場価値を高められることです。SaaS営業では、顧客課題を把握して最適なソリューションを提案するための営業力が求められます。このようなスキルは他の業界でも重宝されるため、転職市場での評価が高くなります。特に、SaaS企業では営業活動にCRMやデータ分析ツールを活用する場面が多く、自然とデジタルリテラシーも向上します。
さらに、特にカスタマーサクセスで継続的な契約を重視するために求められる「顧客志向の考え方」は、営業職において不可欠なスキルです。SaaS営業で得られる知見や経験は、キャリアの武器となり、市場価値の向上につながるのです。
柔軟な働き方が可能
SaaS業界は、クラウドベースのビジネスモデルであるため「柔軟な働き方」が浸透しています。営業活動においてもオンラインミーティングやチャットツール、CRMの活用が進んでおり、場所や時間に縛られない働き方が可能です。このような働き方ができる点も、転職希望者から注目を集める理由です。
SaaS業界ではリモートワークやフレックスタイム制を導入する企業も多く、ワークライフバランスを重視する人にとって理想的な環境といえます。また、インサイドセールスは従来の対面営業とは異なり、データを活用した効率的な営業手法が主流のため、成果主義が評価されやすい点も魅力です。
高年収を狙える
SaaS営業職は、高年収を目指せる職種としても人気です。SaaS業界は市場成長が著しく、企業の営業職は、特に高収入が見込めます。SaaSビジネスモデルはサブスクリプション型であり、新規契約獲得後も継続的な収益が見込めます。そのため企業は営業成果に対して高い報酬を支払うことが可能であり、基本給に加えてインセンティブ制度により、成果を上げれば上げるほど収入が増える仕組みとなっています。
特に大型案件を担当するフィールドセールスでは、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。また、SaaS業界では営業職のキャリアパスも明確で、個人営業から、チームリーダー、マネージャーへと昇進することで、さらなる収入アップが期待できます。このように、成果が適正に評価され、高い収入につながる点がSaaS営業職の大きな魅力です。
未経験からSaaS業界へ転職するためのポイント
未経験からSaaS業界の営業職へ転職することは可能です。しかし、何も知識やスキルがない状態で転職を行うことは厳しい業界です。ここでは、IT未経験からSaaS業界へ転職するためのポイントを解説します。
SaaS業界におけるビジネスを理解しておく
未経験からSaaS営業に転職するには、まずSaaS(Software as a Service)というビジネスモデルはどういうものか、基本を理解する必要があります。SaaSは、ソフトウェアをクラウド上で提供します。従来のソフトウェアはパッケージ販売による買い切り型のモデルでしたが、SaaSは月額・年額でのサブスクリプション型で料金を支払うモデルが一般的です。そのため、単にサービスを提供するのではなく、顧客が継続してサービスを使い続けられるか、という点が重要視されます。営業活動においても、新規契約の獲得だけでなく、顧客の活用状況を踏まえた継続支援や契約金額の拡大(アップセル・クロスセル)が求められます。
このようなSaaS特有のビジネスの仕組みを理解することで、面接での質問に的確に答えられるだけでなく、入社後の活躍にもつながります。
自分の知識・スキルが活かせる企業を選択する
未経験からSaaS業界へ転職するには、自身のこれまでの経験やスキルを活かせる企業を選ぶことが大切です。例えば、製造業での業務経験がある場合は、製造業向けの業務改善SaaSを提供している企業を選ぶと、業界知識が活かせます。
他にも、マーケティングや経理、人事などの業務に知見があれば、その領域に特化したSaaS企業を選ぶと、即戦力として評価されやすくなります。このように、業界未経験であっても、自身のキャリアやスキルと親和性の高いSaaSを提供する企業を選ぶことで、入社後の活躍イメージを描きやすくなるでしょう。
SaaS営業への転職理由を書く際に押さえるべきポイント
SaaS営業への転職理由を記載する際に「何を書けばよいのか」と悩む人もいるでしょう。応募書類や面接で転職理由を明確に伝えることは非常に重要です。ここでは、転職理由を記載するときに押さえるべきポイントを3点解説します。
その職種を選んだ理由
「なぜSaaS営業という職種を選んだのか」を明確に伝えることが重要です。SaaS営業は一般的な営業と異なり、顧客と長期的な関係を築きながら営業活動を行います。この特徴を押さえて「顧客の成功に貢献したい」といった動機を具体的に示すと説得力が増します。
また、自身の経験やスキルを活かしたいという点も説明できるとよいでしょう。例えば「データ分析が得意であり、戦略的なアプローチで効率的に営業活動を行い、貢献したい」といった内容が挙げられます。他にも、SaaS営業特有の課題や難しさを理解していることを示し、それにどう対応していくかという点も加えると、業界理解をアピールできます。
自分自身のキャリアパスを見据えた理由を伝えることで、採用担当者によい印象を与えることができるでしょう。
その企業を選んだ理由
「なぜその企業を選んだのか」を具体的に伝えることも大切です。SaaS業界には多くの企業が存在するため、その中でもこの企業を選んだ理由を明確に伝えましょう。企業理念・提供サービス・成長性など、できるだけその企業固有の情報を踏まえて説明できると効果的です。
例えば「御社のプロダクトが中小企業のDXを支援しており、自身の前職の経験と親和性がある」や、「急成長している組織で営業力を磨きたい」といった理由が挙げられます。応募先企業のWebサイトやプレスリリースを十分確認した上で具体的に言及することで、採用担当者へ強くアピールできます。
採用後に何を行いたいか
「採用後に何を行いたいか」という将来的なビジョンを示すことも重要です。企業側は応募者がどれだけ即戦力として活躍できるか、また成長できるかを重視しています。ここでは、短期的な目標と中長期的なビジョンの両方を、具体的に提示できると良いでしょう。
例えば「入社後はSaaS営業として早期に成果を出し、既存顧客のアップセル提案にも積極的に取り組みたい」や、「インサイドセールスやマーケティングとの連携強化を図り、売上拡大に貢献したい」といった内容が挙げられます。このような具体例を述べることで、企業側にとって「この人と一緒に働きたい」と思わせることが大事なポイントとなります。あまり壮大な目標を掲げるのではなく、現実的に実現可能な目標をあげるようにしましょう。
具体的かつ現実的な将来ビジョンを示すことで、長期的に活躍できる人材であることをアピールできます。
SaaS営業の転職理由の例文(経験あり)
営業経験がある人向けの転職理由の例文です。
<例文>
私は法人向けのERPパッケージの営業を5年間従事しております。ERPパッケージは適用範囲や影響範囲が広く顧客のシステムに多大な影響を与えます。そのため、業務において顧客の課題解決や影響範囲の調査に、丁寧にコミュニケーションをとって信頼を得てきました。営業内でも高い成約率と実績を得て、評価を頂いたこともあります。
SaaSは今後ERPパッケージ以上に多くの企業に浸透するとその可能性を感じています。現職での経験を活かしてさらに価値を高めた営業活動をしたいと考え、転職を決意しました。
SaaS営業の転職理由の例文(未経験)
営業経験やIT経験がない人向けの転職理由の例文です。
<例文>
私は現在、大手印刷会社の事務のリーダーを担当しています。業務の中心はオンラインシステムを利用した事務作業を行っており、チームリーダーとして社内プレゼンやマネジメントスキルを磨きました。
長く事務職を続けてまいりましたが、新しい職種へのキャリアチェンジを検討しておりました。その中で、以前社内で貴社サービスの導入により業務効率が大幅に改善したことが印象に残っています。そこで貴社に興味を持ち、貴社が募集している営業職への応募を決断しました。
IT営業職の経験はありませんが、IT関連の知識習得や資格取得、貴社サービスについて学習を行っております。チームリーダーの経験も含め、貴社サービスの拡大に貢献したいと考えております。
SaaS業界へ転職する際に注意すべきポイント
SaaS業界への転職は魅力的ではありますが、いくつかの注意すべきポイントも存在します。転職は応募先の企業へ入社するのがゴールではありません。転職後も長く仕事を続けていくために、見ておくべき点がいくつもあります。転職を検討する際には必ず押さえておきましょう。
企業選びが重要
SaaS業界への転職では「企業選び」が非常に重要です。同じSaaS企業でも、提供するサービスの内容やターゲット顧客、営業スタイルのほか、業務内容や働き方も大きく異なります。例えば、スタートアップ企業であればスピード感やマルチタスクが求められる一方、大手企業では役割分担が明確で組織的に動くことが多いです。このような違いを把握したうえで、できる限り自分の過去の経験やスキルが活かせるサービスを扱う企業を選ぶことで、早期に活躍しやすくなります。
他にも、企業文化や評価制度などもよく確認し、自分の価値観と合致するか見極めましょう。単に「SaaS業界だから」という理由で選ぶのではなく、自分にとって最適な企業かどうかを慎重に判断することが大切です。
最低限のITスキルは必要
未経験からでもSaaS営業への転職は可能ですが、最低限のITスキルは必要です。SaaS製品はクラウドベースで提供されるため、例えばWebサービスの基本的な仕組みや、セキュリティ、データ管理の概念などの知識が求められます。また、営業活動で使用するCRMやチャットツール、Web会議なども、抵抗なく使いこなせるとよいでしょう。
ITスキルと聞くとプログラミングをイメージする人もいるかもしれませんが、SaaS営業においてプログラミングスキルなどの高度な技術力は一般的に必須ではありません。重要なのは、製品の技術的な特徴を理解し、それをビジネス価値に変換して説明できる能力です。基本的なITスキルであれば、オンライン学習サイトや技術書などを活用して身につけることは十分可能です。IT業界未経験でも事前に基礎的なリテラシーを身につけておくことで、入社後の業務習得がスムーズになり、面接でも前向きな姿勢として評価されやすくなります。
業界の変化が激しく、最新情報のキャッチアップが求められる
SaaS業界は技術の進化および市場変化が非常に速いため、常に最新情報をキャッチアップする姿勢が求められます。例えば、新たな競合の登場や機能アップデート、法規制の変更などは常に確認し、状況によって提供価値や営業戦略を柔軟に変える必要が出てきます。そのため、日頃から業界メディアや企業ブログなどをチェックしておきましょう。
特に近年では、クラウド技術自体が急速に進化しており、AIやマシンラーニングの技術をSaaS製品に組み込む動きが加速しています。こうした技術トレンドへの理解が求められます。また、顧客も高いITリテラシーを持っていることが多く、的確な提案を行うには常に知識をアップデートしておく必要があります。
SaaS営業で求められるスキル
SaaS営業で求められるスキルを3つ紹介します。これらのスキルに自信がある人は、SaaS営業に向いているといえるでしょう。自信がない人も、転職に備えてこれらのスキルを磨いておくことをおすすめします。
分析力
SaaS営業では「分析力」が非常に重要です。近年のSaaS業界ではCRMやSFAといったデジタルツールを活用し、数値をもとに行動するのが一般的です。例えば商談の成約率や解約率などのデータを分析することで、顧客にとって最適な提案のタイミングや手法を見極めることができます。また、顧客の業界や業務内容を調査・分析し、課題やニーズを的確に把握することで、より説得力のある提案を行うことが可能です。
日々得られる大量のデータを適切に分析でき、価値ある情報を見出すための分析力を持つ人が、成果を上げやすい傾向があります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、顧客との信頼関係を築くために必須のスキルです。特にSaaS一度の契約で終わらず、継続利用により長期的な関係を築くために丁寧な対応が求められます。
営業プロセスでは、さまざまな場面で高度なコミュニケーション能力が求められます。例えば顧客から課題を引き出すためのヒアリング、わかりやすく価値を伝えるための説明、社内外の関係者との調整などが挙げられます。また、チャットやメール、オンライン会議といった非対面の手段も多いため、文章での正確な情報伝達力も必要です。
問題解決能力
SaaS営業では、顧客の課題を的確に把握し、プロダクトを活用してそれをどう解決できるかを提案するための「問題解決能力」が求められます。特に企業向けSaaSでは、顧客が抱える課題が複雑化しており、業務フローや部門間の調整が必要なケースも少なくありません。そのため、ヒアリングにより真のニーズを深掘りし、最適な活用方法や導入ステップを設計する力が求められます。
また、事前に導入後に想定される課題や障害についても想定し、対策を講じる提案ができれば、より高い信頼を得られます。単純な「サービスを売る人」ではなく、「課題を解決する人」として顧客に寄り添う姿勢が、SaaS営業で長期的に成果を上げることに繋がります。
SaaS業界への転職はおすすめ!転職理由、志望動機をしっかり伝えよう
SaaS業界は近年成長が著しく、どの企業も営業力を高めることに力を入れているため、需要の高い営業職への転職は注目を集めています。SaaS営業へ転職を行うには、転職理由・志望動機を適切に伝え、効果的にアピールすることが欠かせません。転職理由のアピールには、以下の3点を押さえておくとよいでしょう。
・SaaS営業の特徴や、自分の経験・スキルを踏まえて職種を選んだ理由を伝える
・応募先企業をリサーチし、企業理念や提供サービスの特長を踏まえてその企業を選んだ理由を伝える
・短絡的な目標および中長期的なビジョンを伝える
「なぜSaaS営業という職種を選んだのか」
「なぜその企業を選んだのか」
「採用後に何を行いたいか」
この3つを明確に伝えられるよう、転職理由を考えましょう。
SaaS業界は右肩上がりで成長しており、IT人材の不足も相まって需要が高い状況が続いています。特に営業職は注目されており、多くの企業が人材を求めています。本記事で紹介した例文をもとに、転職理由を明確に伝え、SaaS営業への転職を勝ち取ってください。
9EキャリアIT・SaaSセールスの転職支援サービスではIT・SaaS営業職を募集する企業の裏側まで熟知したエージェントが転職を支援いたします。
さらに、応募書類作成のサポートや企業ごとの面接対策など徹底した伴走型の転職支援を提供。「書類も面接もこれまでより通過率がダントツに上がった」「年収交渉をしてもらい希望年収が叶えられた」などクチコミでも高い評価をいただいています。
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