2025年10月9日公開
最終更新日:2025年10月10日
美容師からSaaS営業へ──未経験から切り拓いた新たなキャリアと可能性。T.N様の転職インタビュー
インタビュー記事について
9EキャリアIT・SaaSセールスは「あなたの挑戦を支える一番の伴走者になる」をコンセプトに、将来の可能性を広げるご提案にこだわり転職支援を実施しています。
このインタビューは、入社後1年以上経過している方へのインタビューを通し、実際に転職の軸を叶えられたのか?や今後チャレンジしていきたいことを中心にヒアリングをしていくことで近いご経験や志向性をお持ちの方に有益な情報を届けたいと考え、実施しています。
アイドル活動から美容師、そしてIT業界へ
――これまでのキャリアを簡単に教えてください。
僕のキャリアは少し珍しいのですが、10代のころは芸能活動をしていて、アイドルとして約4年間活動していました。舞台やイベントに立つことで「人前で表現する力」や「本番で力を発揮する強さ」が養われたと感じています。
その後はもともと抱いていた“美容師になる”という夢を叶えました。渋谷を拠点に約5年間、美容師だけでなくヘアメイクの仕事もこなし、忙しい日々でしたがお客様に直接喜んでいただけるこの仕事には、とても大きなやりがいを感じていました。
――美容師からSaaS/IT営業への転職を考えた理由は?
転職には大きく2つ理由があります。ひとつ目は、「サラリーマンスキル」や「ロジカルに考える力」を身につけたいと考えたからです。美容師という仕事自体は好きでしたし、今も副業として続けています。ただ、将来的にキャリアを広げていくためには、もっと幅広い経験を積み重ねる必要があると考えました。
もうひとつの理由は、美容業界のDX化の遅れに対する問題意識です。美容院によってはカルテや予約表はいまだに紙ベースで管理され、ダブルブッキングが起きてしまうことも珍しくありません。お客様はインスタやWebで美容院を探すのが当たり前なのに、美容師側にITに対する苦手意識があったり、美容師さんによっては職人気質なぶん新しいシステムには抵抗があったり…。
そんな状況を目の当たりにしてきたからこそ、「美容×IT」には可能性しかないと思ったんです。現場で培った経験を土台にITを掛け合わせ、美容師とお客様の双方のためになる仕事がしたいと考えたことが、転職の大きなきっかけです。
――転職活動の際、企業を選ぶ軸はありましたか?
はい。僕の場合、転職の際には大きく4つの軸を持っていました。1つ目は「美容に関わり続けられること」です。せっかく積み重ねた経験ですから、新しい仕事でも自分の強みが発揮できる場所かどうかは重要なポイントでした。
2つ目は「副業が可能であること」。美容師としての仕事は続けていきたかったので、柔軟な働き方ができる会社がいいなと考えていました。
3つ目は「IT営業に挑戦できること」。ITも営業も未経験の領域ですが、だからこそ新しいことに挑戦して、自らの価値を高めていきたいと思ったんです。
4つ目は「新しいことができる環境」。僕は常にチャレンジし続けたい性格なので、前例やルールに縛られず、自分のアイデアを試せる会社が理想でした。
加えて、頑張りや評価をちゃんと給料に反映してくれるということも重視していました。美容師だけでは収入の天井が見えてしまう部分もあり、生活の安定や自己投資を考えると報酬面も譲れなかったですね。
B社との出会いと転職活動でのサポート
――現職のB社に決まった経緯を教えてください。
最初に挑戦したのは、S社のローコード開発プラットフォーム部門でした。ところが面接では「ロジカルさが足りない」という理由で不採用に…。正直そのときは落ち込みましたが、その結果、カンパニー制を採用している同社内の美容師向けSaaS事業「B社」を紹介していただいたんです。
美容サロン向けの業務支援プラットフォームやクラウドサービスを提供する美歴は、まさに自分がやりたいことと完全に一致していました。美容業界の課題を解決できるITサービスに関わりながら、営業という新しいフィールドに挑戦できる。振り返ってみれば、最初に落ちてしまったからこそ、自分にとって理想的な仕事に巡り合えた。“奇跡的な出会い”だったと言っても過言ではないかもしれません。
――転職活動で苦労したことや印象に残っていることはありますか?
一番辛かったのは、美容師として働きながら転職活動をしていたことです。美容師の仕事は夜遅くまで続くことが多く、まとまった時間を確保するのは大変でした。日中は接客、閉店して片付けが終わったあとに、ようやく履歴書や職務経歴書の作成に取りかかる日々。体力的にも精神的にも大変な時期でしたね。
そんな中、9Eキャリアの担当者の方は夜遅くまで面接練習や書類添削に付き合ってくださいました。僕ひとりでは到底準備しきれなかった部分を支えていただき、夢に向かって「一緒に走ってくれている」ような、そんな安心感がありました。
――9Eキャリアのサポートで助かったことは?
特にありがたかったのは、僕の強みを言語化してくれたことです。僕は直感的に動くタイプ。行動力や突破力には自信がありましたが、そんな強みを言葉で説明するのはどうも苦手でした。面接でも「僕ならやれます!」という感じで、自信はあるのにどうしても抽象的な答えしかできず、なかなか論理的に伝えられないもどかしさがありました。
そこを担当者の方が「Nさんの強みは、ゼロから考えて実行できる行動力です」と整理してくださり、「こう表現すれば、ちゃんと面接官に伝わる」と、具体的な言葉に変えていただけたことには、本当に感謝しています。
さらに面接対策では、よく聞かれる質問への回答を一緒に組み立ててくれたり、言い回しを細かく修正してくれたりと、徹底的にサポートしてくれました。おかげで本番では自信を持って話せるようになり、納得のいく形で自分をアピールできました。
未経験から営業として成果を出すまで
――入社後、最初に担当した仕事について教えてください。
入社後はすぐにB社の営業として活動を始めました。美容院向けに自社のSaaSを提案するのですが、アポイント獲得からクロージングまでを一貫して担当しています。はじめは電話や訪問営業を中心にこなしていましたが、美容業界ならではの展示会や懇親会にも積極的に参加しました。
お客様には単に売り込みをするのではなく、美容師としての経験を交えながら「現場でこんな課題ありませんか?」と話すと、自然と相手も心を開いてくれることが多かったですね。美容師時代に培った“人との関係づくり”が、営業の場でも生きていると感じました。
――営業の面白さはどんなところにありますか?
僕にとって営業は「仲間探し」のような感覚です。お客様は単なる取引相手ではなく、同じ課題を共有する「仲間」である—。そんな想いで接することで、表面上だけではない信頼関係を築いていきたいんです。ご紹介やつながりというのは、そんな関係性が構築されてはじめて増えていくものではないでしょうか。
以前、7店舗分の大型契約を一気にいただいたことがありました。お伺いしたその場で契約を決めていただき、本当に嬉しい成約でした。後から聞いた話ですが、この成約は社内でも大きなニュースになったようで、たくさんの方に褒めていただきました。「自分の頑張りがチームや会社全体の活気につながる」。そう、実感できた瞬間でしたね。
――入社後に苦労した点は?
業界の専門用語にはかなり苦戦しました。例えば「アジェンダ」や「ペルソナ」といった言葉も、美容師だった僕にとっては初耳ばかりで、会議中に「今の話、何のことだろう」と置いていかれる感覚がありました。
ただ、そこで意識していたのは、知らないことに落ち込むのではなく「一つひとつ、楽しく身につけていこう」ということです。知らない言葉が出てくるたびにメモしておいて、後で調べ、次に使えるようにする。小さな積み重ねをゲーム感覚で楽しむようにしたら、だんだんと知識が増え、比例して自信もついてきてくれたように思います。
―― 社内での存在感を高めるために、工夫したことは?
「600人規模の会社でも、埋もれたくない」という思いは強くありました。だからこそ、まずは“僕という人間を知ってもらうこと”を意識して行動しましたね。全ての部活動に顔を出したり、飲み会には積極的に参加したり。とにかく人と関われる機会には、全て顔を出しました。その結果、半年ほどで社員の半分以上と話せるようになり、気づけば「社内でも顔が広い人」という印象を持たれるようになったんです。
そうした努力が実を結び、なんと社内報の担当を任されるように。単に仕事の成果を出すだけでなく、社内で認知されることがキャリアアップへの近道だと考えていたので、その点でも大きな手応えを感じています。
転職後の成長とキャリアビジョン
―― 転職後の満足度はいかがですか?
率直に言って、満足度は120%です!想像していたよりはるかに挑戦できる環境が整っていて、自分の成長を日々実感しています。入社から1年2か月くらいたったころ、社内表彰「ライジングスター」も受賞でき、とても大きな自信になりました。
個人実績では上期比で10倍の成長を記録でき、チームとしても成長率400%以上を達成。さらに、これまでインバウンド中心だった営業にアウトバウンドを取り入れ、仕組みとして確立したことも高く評価されました。加えて、大手サロンチェーンから契約を獲得するなど、会社の新たな実績につながる成果も出せました。自分の働きが数字や成果として表れ、それが社内からも認められたことに、言葉では表現できないほどのやりがいを感じています。
―― ご自身で感じる成長はありますか?
入社前は「ロジカルさが足りない」と言われて落選した経験もあったので、論理的に考える力がついたのが一番の成長ではないでしょうか。営業活動の中で「なぜその提案をするのか」「相手にはどう響くのか」を意識して整理する習慣がつき、話し方や資料のまとめ方も以前とは比べものにならないくらい上手になりました。
また、パソコンに関するスキルも格段に向上しましたね。美容師時代はハサミを握る時間が大半でしたが、今では資料作成やデータ分析を当たり前にこなしています。さらに、性格診断(MBTI)でも、以前は「擁護者」タイプだったのが、転職後は「指揮官」タイプに変化しました。芯が強くなり、リーダーとしての自覚や責任感が芽生えたからかもしれません。
―― 将来的なビジョンを教えてください。
現在、平日はB社で営業として働き、週末は副業として美容師を続けています。これは入社した当初から考えていたことですが、このふたつのキャリアを掛け合わせることで、美容業界に新しい価値を提供できたらと考えています。
さらに言えば、自社の枠も超え他社とも連携しながら、美容業界全体をより良い方向へ変えていけたらいいですね。壮大な目標ではありますが、「面白い」と感じることが自分の原動力なので、今後も自分に正直に突き進んでいきたいです。
―― 今後挑戦していきたいことはありますか?
直近の目標は、リーダーからマネージャーへの昇格です。マネージャーになることで、自分ひとりの成果だけでなく、チーム全体の売上や部下の育成にも責任を持つ立場になります。これまで以上に難しいチャレンジだと思いますが、それを乗り越えることで、きっとまた次のステージに行けるはずですから。
そして長期的な目標は美歴の「プレジデント」になることです。社内イベントで思わず「プレジデントになります!」と宣言してしまったので(笑)。周囲からも期待していただいていますので、期待に応えられるようこれからもまっすぐ成長していきたいですね。
―― 同じように未経験からSaaS/IT営業を目指す人に、メッセージをお願いします。
未経験からの挑戦なら、なおさら「本当にやっていけるのか」という不安が大きいと思います。でも、思い切って飛び込めば必ず道は拓けます。大事なのはフットワーク。失敗を恐れずに、一歩踏み出しましょう。
それともうひとつ。“人との関わり”を大切にしてほしいと思います。僕は「一人でも多くの人に挨拶する」ことを常に意識してきました。小さな積み重ねですが、その一歩一歩が信頼につながり、気がつけばたくさんの仲間ができました。「未経験だから無理」と思うのではなく、「未経験だからこそ可能性がある」と捉えて挑戦してみてください。僕の経験が少しでもその後押しになれば、嬉しく思います。